CNFのつくりかた
CNFの作り方には様々な方法があり、それぞれできるCNFには違った特徴があります。
木→パルプ→CNFと小さくしていく過程はほとんどの作り方に共通していますが、
大きく分けると物理的な方法と化学的な方法があり、その中で細分化されていきます。
本項ではその中のいくつかについて紹介します!


愛媛大学 紙産業イノベーションセンター 提供


物理的解繊方法

CNFは互いに凝集しやすい性質を持っていて、それをほぐすには非常に大きなエネルギーが必要です。
物理的解繊方法は強力な機械処理によりほぐす方法です。

グラインダー法
繊維を臼ですりつぶすことで物理的解繊を起こします。
この方法では、一度すりつぶしただけでは十分な繊維にはならず、
何度もすりつぶす過程を繰り返すことでだんだんと繊維が細くなっていきCNFが得られます。

物理的解繊方法にはその他、水中カウンターコリジョン(ACC)法・高圧ホモジナイザー法・マイクロフリュイダイザー法・凍結粉砕法・超音波解繊法・高速撹拌法・ビーズミル法など様々な方法があります。


化学的解繊方法

CNFの末端構造を変化させることで化学的に反発する力を与えることで解繊させる方法です。

TEMPO酸化法
セルロースポリマーのヒドロキシ基をTEMPO触媒を用いて
カルボキシ基に酸化することで解繊させる方法です。
凝集しやすいCNFですが、表面のマイナス電荷による静電反発により再び凝集することはありません。
これによって生成されるCNFは繊維幅が良く揃い、繊維長も長いものができます。
これはナノ材料の特性を最大限生かすことのできるものであり、多くの注目を集めています。

化学的解繊方法にはその他、酵素加水分解法・カルボキシメチル化法・リン酸エステル化法など様々な方法があります。

今回のキーワード
・解繊・・・繊維をほぐしていくこと、繊維を解くと覚えましょう!
・グラインダー法・・・パルプをすりつぶす物理的解繊方法。
・TEMPO触媒酸化法・・・CNF1本ずつを反発させるようにCNF表面を酸化させる化学的解繊方法。